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当社は明治15年に辻本福松が足袋装束商として創業し、商標を自分の名前の一字を取って、 “丸福” としました。商標の “丸福” は、明治25年2月5日に出願、同年4月1日に登録されています。 ところが、明治32年のこと、和歌山市の足袋業者から、この商標は先に使用しているということで、 “丸福” の商標取り消しの訴えがありました。福松は意外なできごとで驚きましたが、きっとこれは何かの間違いであろうと円満な解決に向かって努力しました。しかし、当時の商標条例は極めて不備で、結果は辻本側の敗訴となりました。
明治33年正月、福松の息子豊三郎が吉例のお伊勢参りの帰途、古道具屋で裃に威儀を正した福々しい福助人形に出会いました。ハっと胸を打たれた豊三郎は「これだ、これを新しい商標にしよう」とさっそく買い求めました。豊三郎は心もそぞろに帰堺し、この人形を父福松に見せました。福松も「これこそ願ってもない商標だ。よいものを授かった」と手を打って喜びました。
この伊勢詣での際に見つけた福助人形は、かみしもを着て正座し、手に扇子ををひろげ持った姿をしていました。そこで福松親子はこの人形に、人間の徳をあらわす仁・義・礼・智・信のイメージを加えました。
頭を低くし、手をついて礼を尽くすというポーズの福助人形は、明治33年7月18日、福助の商標として許可され、文字どおり禍(わざわい)を転じて福となした福松父子でした。 
足袋業界の先頭を行く旗印、輝く商標 “福助” はこの時に誕生したのです。 これが社宝「伊勢路福助」です。
現在も全国に親しまれている、あのにこやかな福助マークのはじまりは、伊勢詣で初代社長辻本豊三郎が「授かった」と喜んだ招福の神、社宝「伊勢路福助」です。
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